オレと対戦ゲーム

今日はオレが初めてゲームの大会に出た日らしい。
ふと昔の写真を漁っていてそれに気付いたので、何故対戦ゲームをするのか自身の起源を振り返ってみようと思う。

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【生まれた時からのライバル】

 2014年10月12日、オレはスマブラ3DSの大会であるウメブラに初めて参加した。予選では最近海外で大活躍したあるプレイヤーをも打ち負かし2位で通過するも、優勝には程遠かったことは覚えている。それでも初参加にしては十分な結果で、あの時の自分は確かな手応えを感じていた。

 スマブラはオレの対戦ゲームにおける歴史を語るには絶対に外せないゲームだ。とある田舎村出身のオレは、地元では実力で並び立つプレイヤーはなく、スマブラの神なんて呼ばれたこともある。まったく、今となっては笑える話だ。しかし「オレはゲームが得意なんだ」と思えるようになったのは、ガチゲーマーの多くが通ったであろう地元最強の経験によるところが大きいと思う。

 そんな自分にも身近な存在で唯一互角に渡り合ってくる存在がいた

"ライトニングいがらし"

 オレの双子の兄だ。

【永遠の二番手】

 

 2歳半の頃からゲームをしていたというオレたちは、スマブラにハマるとひたすら2人で対戦を繰り返した。まだネット対戦もなかった時代だ。他の人であれば夜になれば1人でCPUを相手にするか、実力差のある兄弟間で軽く遊ぶのが関の山だろう。しかし拮抗した実力を持つ双子の兄弟がいるオレたちは、いかなる時も対戦相手に困ることはなく、自然と高いモチベーションを維持したまま対戦を重ねていった。
 しかし、対戦を重ねていくうちにいつしかある事実に気付き、意識し始める。

 "オレの方が勝率が低い"

 対戦内容自体は常に拮抗しており、自他共に互角と認識していたことは間違いない。ところが、数字は明らかに"差"を表していた。

 これに気付いたのは、記録しなければ分からないようなその差が他のことでも出ていたからだった。

 少年スポーツのソフトボールの打順では兄弟が8番、オレが9番。漢検では兄弟が準二級、オレが三級。得意だった学校の公民という科目の期末テストでは兄弟が100点、オレが99点。

 どんぐりの背比べ程度のものから、1位2位を争うものまで。無論全てが負けていたわけじゃない。ただ、記憶の限りにおいて差が数字で分かるほとんどの物事においてオレは僅差で負けていた。

 双子のゲーマーということもありマリオブラザーズに例えられることも多かったオレたちだったが、オレは自分が二番手に思われることをひどく嫌っていた。次第に名前を呼ばれる時に、兄弟を前にして呼ばれることさえ気になっていたのはよく覚えている。

 何も自分が世界一優れていると思っていたわけじゃない。それでも一つでいい。1番になりたかった。兄弟の劣化コピーでも、二番手でもない。オレだってヒーローになりたかった。


【同じことをしても勝てない】

 先にスマブラの大会に出たのはオレだったが、その後兄弟ともども参加回数を増やしていき、新しい仲間やライバルと共にしのぎを削っていく。大会前日になると狭い家に仲間を呼んでは特訓し、発表される予選表を見てどこがデスブロックだなんだと盛り上がっていたのは鮮明に覚えている。

 大会が終わると互いに結果を振り返りつつ、次こそはもっと良い成績を!と、励まし合いながら家に戻り、再び始まる日常で己を鍛えていった。

 そしてある日、運命の時は突如として訪れる。ウメブラの本戦で兄弟と激突することになったのだ。オレはルカリオミュウツー。兄弟はゼロスーツサムス配信席でもなく普通の対戦台で行われたものだったが、オレはいつになく気合いが入っていた。理由は言うまでもない。ここで奴を倒し、オレの方がスマブラで強いことを証明するんだ、と。

 結果は0-2。

 完敗だったと思う。別段当時オレの方が成績が悪かったわけではない。それでもこの試合において、オレは完膚なきまでに叩きのめされた。ゲームといえど勝負は勝負。その世界であるならば結果が全てなのは言うまでもない。その瞬間怒りや悔しさに包まれるでもなく、思考も感覚もほぼ無に等しくなっていたと思う。その中であることだけが頭の中に残っていた。

"人と同じことをしても勝てない"


【オレだって……】

 そんなオレは今ではスマブラからポッ拳に切り替え、相も変わらず対戦ゲームの世界に身を投じている。このゲームにおいてもWiiU版が出て1,2週間の時、とある宅オフに参加するも、同じ時に始めたプレイヤー数名を相手に1ラウンドも取れなかった

 やっぱこんなもんか。そう思っては自分を納得させつつ、その宅オフでは周りと戦ってもまだ勝てるスマブラに逃げ込んだのは覚えている。

 そんなオレが何故ポッ拳でプロプレイヤーを目指す道を選んだのか。応援してくれる海外の仲間に応えたい。好きなゲームで1番になりたい。今となってはいろいろと理由はあるが、始まりは一つの感情にある。

"オレだって、ヒーローに……!"

 世界一尊敬する人の目の前で、世界中の人が見ているところで、世界一であることを証明する。ポッ拳にはその挑戦を可能とする舞台が整っている。

 まだまだ足りないことばかりだけど、オレはこれからもポッ拳の世界を戦い抜いていきたい。それが今自分が答えとした生き方だ。

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